☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

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倒産を防ぐために

 中小企業経営者の方は、"自分のところは絶対に倒産させない"と、日夜努力しています。
では倒産とはどのような状態のことを言うのでしょうか。結論からいいますと、倒産とは企業活動において資金の循環が絶たれた状態を意味します。
 資金の継続(循環)が絶たれると、企業は商品、製品、原材料の仕入れが不可能になり、売上が確保できなくなります。そのため社員に給料が支払えなくなると社員は辞め、企業の継続活動はできなくなります。

 よって、資金の循環の原理を理解し、資金の循環の中では自分の会社はどのような位置にあるのかを知り、対策を講じることが、経営者の重要な仕事であるといえるでしょう。

儲けを中心とした損益計算と資金循環に焦点を当てた見方は、異なるものです。

資金循環のパターン

 資金繰りが成り立つ状態は大きく3つのパターンに区分されます。
    (下記の表参照)

パターン@ 健全型
 企業活動は十分な利益を生じ、売掛債権等の回収、在庫の適正等が保たれる状況です。
 つまり表では、経常収支が黒字(1千万円)で、この収支により設備の支出(100万円)と借入の返済(700万円)ができます。

パターンA 一般型
 企業活動は利益を出していますが、設備投資の支払は賄うものの、借入の返済金額は賄えず、このため借入金を調達している状況です。
 表では、経常収支は300万円の黒字。この黒字で設備支出(100万円)と借入金の一部(200万円)は返済した者の、新たに借入を行ったものです。たとえば、1,400万円の借入金の内訳が、長期借入金600万円、短期借入金800万円とします。
 この年では、長期借入金の200万円は返した(したがって長期借入金は400万円となる)が、短期借入金は800万円の融資を受けたことにより、新たな借入は1,200万円になったということです。
 現在Aのパターンの企業が一般的です。
 ある企業では、過去の設備投資が過大のため、設備投資資金として借り入れた分の長期借入金の分割支払がやっとであり、短期借入金は従来どおりの金額の借替えが必要となってきます。また、ある企業では、利益が少なく(経常収支の黒字幅が小額)、長期借入金は契約通り返済はしているが、企業活動の日常的な短期資金は、その度、銀行に依存しなければならない、といったところです。
Aのパターンの場合、銀行が借替えに応じる限り、企業の資金は循環します。

パターンB 赤字型
 企業活動は損失を生じ(表では赤字300万円)その補填資金が必要になります。また、設備支出はないものの、借入金の返済部分は確保しなければならず、これらの総額1,700万円が新たな借入れ額となります。
 このパターンの場合、企業の財務持久力や企業信用の存続が問題となり、返済のための融資がストップしたときは、資金の循環が断ち切られることになります。

資金循環のパターン     年額 単位:万円

パターン@ 健全型 パターンA 一般型 パターンB 赤字型
 経 常 収 支
 設 備 収 支
 財 務 収 支
1000 
▲100 
▲700 
300 
▲100 
▲200 
▲300 
0 
300 

財務収支の内訳      
  返済額 
新規借入額 


700 
0 

1400 
1200 

1400 
1700 

残    高

200  0  0 

 

経常収支… 日常的な企業活動による収入(通常は売上)と、それを実施するために必要な減価や費用の出資の差額です。その差額から設備等の支払や、借入金の返済が行われます。
設備収支… 設備売却代と設備支払高の差額です。決算上での損益に直接結びつきません。
財務収支… 借入調達と返済にかかわる資金の流れです。短期借入金と長期借入金の両方を合わせた増減(短期借入金の増減は経常収支の欄からのぞくことに注意)です。

 

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