長引く低金利のなかで金融商品も多様化してきていますが、税金の
取扱いがわからないと何が有利なのか判定ができません。そこで以下
のポイントを整理してみます。
(1) 源泉分離課税
@預貯金の利子、A公社債の利子、B合同運用信託の収益の分配金、C公社債投資信託の収益の分配金については、支払いを受けるときに所得税15%と住民税5%の合計20%が天引きされることにより課税はすべて終わります。
(2) 非課税制度
下記の表に掲げるものがありますが、老人等とは、次の者をいいます。
イ 老人(年齢65歳以上の人)
ロ 遺族基礎年金を受けることができる妻
ハ 寡婦年金を受けることができる妻
ニ 身体障害者手帳の交付を受けている人など
また、Cは勤労者の貯蓄奨励のため、55歳未満の勤労者が預け入れた預貯金の利子について非課税とされますが一般財形貯蓄には適用されませんので注意が必要です。
表1 利子の非課税制度
名 称 |
非 課 税 制 度 |
@老人等の少額貯蓄非課税制度(マル優) |
預貯金等の利子について元本350万円まで
MMFや中期国債ファンドも対象 |
A老人等の少額公債非課税制度(マル特) |
国債・地方債等の利子について元本350万円まで |
B老人等の郵便貯金非課税制度 |
郵便貯金の利子について元本350万円まで |
C財形住宅貯蓄非課税制度
財形年金貯蓄非課税制度 |
両方合わせて550万円まで |
本年の改正で所得税の最高税率は37%となり配当控除が少なくとも5%あるので確定申告をすれば実質的な税負担は32%以下になります。したがって源泉分離課税(35%)は選択しないほうが有利です。
上場株式を売却した利益は、申告分離課税制度と源泉分離課税制度(平成13年3月31日で廃止)を選択できます。判定のポイントは、売却利益の割合が4%を超えていれば源泉分離課税が有利と覚えておくと便利です。
一時払養老保険についての受取保険金等から支払保険料を控除した差益については一時所得とされます。しかし、保険期間が5年以下のものについては通常の利子と同様に20%源泉分離課税とされます。
5年を超えたものについては、保険差益から50万円を控除し、その2分の1が一時所得として総合課税されます。したがって50万円以下の差益については税金がかからずとても有利です。
次のものが雑所得となります。
(1) 割引金融債
償還差益について、所得税のみの18%源泉分離課税となっています。
(2) 為替差益
総合課税とされています。
表2 主な金融商品と個人の税金