☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

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1999年9月

9月の税務と労務
国税 8月分源泉所得税の納付 9月10日
国税 7月決算法人の確定申告(法人税・消費税等) 9月30日
国税 1月決算法人の中間申告 9月30日
国税 10月、1月、4月決算法人の消費税等の中間申告 9月30日


ワンポイント 電子申告
 
紙による申告書の提出ではなく、インターネットやパソコン通信を利用して電子データにより申告すること。国税庁では、電子申告に関する研究会を設置して、本人確認、安全性の確保や添付書類の扱いなど導入に伴う問題点を検討しており、順調にいけば2003年にも電子申告が実現される見通しです。

 
金融商品と税金

 


 長引く低金利のなかで金融商品も多様化してきていますが、税金の
取扱いがわからないと何が有利なのか判定ができません。そこで以下
のポイントを整理してみます。

 
1.利子所得

(1) 源泉分離課税
  @預貯金の利子、A公社債の利子、B合同運用信託の収益の分配金、C公社債投資信託の収益の分配金については、支払いを受けるときに所得税15%と住民税5%の合計20%が天引きされることにより課税はすべて終わります。

(2) 非課税制度
  下記の表に掲げるものがありますが、老人等とは、次の者をいいます。
イ 老人(年齢65歳以上の人)
ロ 遺族基礎年金を受けることができる妻
ハ 寡婦年金を受けることができる妻
ニ 身体障害者手帳の交付を受けている人など
また、Cは勤労者の貯蓄奨励のため、55歳未満の勤労者が預け入れた預貯金の利子について非課税とされますが一般財形貯蓄には適用されませんので注意が必要です。

表1 利子の非課税制度

名  称

非 課 税 制 度
@老人等の少額貯蓄非課税制度(マル優) 預貯金等の利子について元本350万円まで
MMFや中期国債ファンドも対象
A老人等の少額公債非課税制度(マル特) 国債・地方債等の利子について元本350万円まで
B老人等の郵便貯金非課税制度 郵便貯金の利子について元本350万円まで
C財形住宅貯蓄非課税制度
  財形年金貯蓄非課税制度
両方合わせて550万円まで

 
2.配当所得

 本年の改正で所得税の最高税率は37%となり配当控除が少なくとも5%あるので確定申告をすれば実質的な税負担は32%以下になります。したがって源泉分離課税(35%)は選択しないほうが有利です。

 
3.譲渡所得

 上場株式を売却した利益は、申告分離課税制度と源泉分離課税制度(平成13年3月31日で廃止)を選択できます。判定のポイントは、売却利益の割合が4%を超えていれば源泉分離課税が有利と覚えておくと便利です。

 
4.一時所得

 一時払養老保険についての受取保険金等から支払保険料を控除した差益については一時所得とされます。しかし、保険期間が5年以下のものについては通常の利子と同様に20%源泉分離課税とされます。
 5年を超えたものについては、保険差益から50万円を控除し、その2分の1が一時所得として総合課税されます。したがって50万円以下の差益については税金がかからずとても有利です。

 
5.雑所得

 次のものが雑所得となります。

(1) 割引金融債
  償還差益について、所得税のみの18%源泉分離課税となっています。

(2) 為替差益
  総合課税とされています。

表2 主な金融商品と個人の税金

種          類

収益の種類
(所得の種類)

非課税扱い

課税扱い

所得税

住民税

円    預    金

利   子
(利子所得)

○マル優
○マル財

源泉分離課税
(15%)

源泉分離課税
(5%)

先物売予約が
セットされたもの

利   子
(利子所得)

____

為替差益
(雑所得)

____

それ以外のもの

利   子
(利子所得)

____

為替差益
(雑所得)

____

総合課税
(源泉なし)

総合課税
(源泉なし)

郵   便   貯   金

利   子
(利子所得)

○(表1参照)

源泉分離課税
(15%)

源泉分離課税
(5%)

金   銭   信   託
貸   付   信   託

収益分配金
(利子所得)

○マル優
○マル財

利  付  公  社  債

利   子
(利子所得)

○マル優
○特別マル優
○マル財

償還差益
(雑所得)

____

総合課税
(源泉なし)

総合課税
(源泉なし)

割  引  金  融  債
割   引   国   債

償還差益
(雑所得)

____

源泉分離課税
(18%)

非課税

公 社 債 投 資 信 託

収益分配金
(利子所得)

○マル優

源泉分離課税
(15%)

源泉分離課税
(5%)

株 式 投 資 信 託

収益分配金
(利子所得)

○マル優
(一定のもの)

上   場   株   式

配   当
(配当所得)

____

@総合課税
(源泉徴収20%)

@総合課税
(源泉なし)

A源泉徴収20%されて申告不要(小額配当の場合)

A非課税
(小額配当の場合)

B源泉分離課税
(35%)

B総合課税
(源泉なし)

売 却 益
(譲渡所得)

____

@申告分離課税
(20%)

@申告分離課税
(6%)

A源泉分離課税
(売値の1.05%)

非課税

一 時 払
養老保険

保険期間5年
以下のもの等

保険差益
(一時所得)

____

源泉分離課税
(15%)

源泉分離課税
(5%)

その他のもの

____

総合課税
(源泉なし)

総合課税
(源泉なし)

(注)1. 総合課税扱いのものは、原則として確定申告が必要であるが、給与所得者で年収が2,000万円以下の場合、
     給与以外の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要である。
  2. 総合課税の譲渡所得と一時所得については、それぞれ50万円の特別控除が受けられる。
  ※平成13年3月31日まで

 

 
消費税の課税期間の短縮

 

 当社は、日用雑貨の輸出を行う会社です。消費税については、輸出免税の適用があるため、毎期還付を受けています。
 このような場合、消費税について課税期間の短縮の特例の適用を受けると有利であると聞きましたが、課税期間の短縮の特例はどのようなものでしょうか。

 消費税の課税期間は、原則として、法人の場合はその法人の事業年度、個人の場合は暦年(1月1日から12月31日まで)とされています。しかしながら、ご質問の場合のように、恒常的に消費税の還付が生ずる輸出業者などの場合には、仕入れに係る消費税が還付されるまでに時間がかかるため、課税期間を3ヶ月ごととする課税期間の短縮の特例を選択することができます。
 課税期間の短縮の特例を選択すると、例えば3月決算法人の場合には、4〜6月、7〜9月、10〜12月、1〜3月がそれぞれ課税期間となり、個人の場合には1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月がそれぞれ課税期間となります。その結果、それだけ早く消費税の還付を受けることができるようになります。
 この特例の適用を受けるためには、原則として、特例を受けようとする短縮に係る課税期間の初日の前日までに、所轄税務署長に「消費税課税期間特例選択届出書」を提出する必要があります。
 なお、課税期間の短縮の特例を受けている法人または個人が、特例の適用をやめようとする場合には、特例の適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに、所轄税務署長に「消費税課税期間特例選択不適用届出書」を提出することになります。
 ただし、いったん特例の適用を受けた場合には、事業の廃止した場合等を除いて2年間継続した後でなければ、特例の適用をやめることができませんので、注意する必要があります。

 

 
利子割等の割合

 

 利子税(相続税および贈与税の利子税を除く)、延滞税(年14.6%の部分を除く)、還付加算金の割合は、年7.3%と定められていましたが、最近の低金利の状況を踏まえて改正が行われました。
 改正後は、各年の特例基準割合が年7.3%に満たない場合には、その年中においては、年7.3%ではなく特例基準割合とすることとされました。特例基準割合とは、その年の前年の11月30日時点の公定歩合に4%を加算した割合をいいます。
 相続税および贈与税の延納や徴収猶予等に係る利子税についても、特例基準割合を基礎として一定の算式で計算した割合とする改正が行われましたが、延滞税の年14.6%の部分については改正されていませんので、注意してください。
 なお、この改正は、平成12年1月1日以後の期間に対する利子税等に適用されます。

税金一口メモ
 普通徴収と特別徴収

個人の住民税の納付方法には、普通徴収と特別徴収の2種類があります。普通徴収とは、地方団体から送付される納税通知書(納付書)によって、本人が直接納付する方法で個人事業者などが対象となります。通常は、4期(納期は地方団体により異なります)に分けて納付します。
 一方、特別徴収とは給与所得者を対象に、会社などの給与支払者(特別徴収義務者)が、毎月の給与の支払時に控除し、本人に代わって納付する方法です。
 なお、特別徴収の対象となっていた給与所得者が退職等によって給与の支払を受けなくなったときは、退職時に住民税の残額を一括徴収された場合を除き、その残額を普通徴収の方法で納付することになります。

 

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