☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

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1999年10月

10月の税務と労務

国税 9月分源泉所得税の納付 10月12日
国税 特別農業所得者への予定納税基準額等の通知 10月15日
国税 8月決算法人の確定申告(法人税・消費税等) 11月 1日
国税 2月決算法人の中間申告 11月 1日
国税 11月、2月、5月決算法人の消費税等の中間申告 11月 1日
地方税 個人の都道府県民税及び市町村民税の第3期分納付 市町村の条例で定める日
労務 労働者死傷病報告(7月〜9月分) 11月 1日


ワンポイント 連結納税制度
 親会社と子会社の損益を合計し、企業グループを一つの課税単位として全体の所得に課税する制度。グループ内赤字企業の欠損金と黒字企業の利益が相殺されることにより、納税額が減らせます。2001年の導入を目指し検討されていますが、持株比率何%までの子会社を連結納税の対象とするかが焦点となっています。

 
Q&A 交際費

 


 長びく景気抵迷のため各企業では様々な経費節約を進めています。特に交際費については、平成10年4月1日以後開始する事業年度から課税が強化されているので関心が高いようです。
 そこで、以下交際費についての重要なポイントをQ&A形式で取り上げます。

Q1 損金算入が制限される交際費とはどのようなものですか? 

 交際費とは、法人が事業に関係のある者(仕入先、得意先、株主、社員など)に対して接待、供応、慰安、贈答等のために支出する費用をいいます。
 したがって社内旅行の費用や忘年会の費用も状況によっては交際費となる可能性がありますので注意が必要です。

Q2 資本金により交際費の取扱いが異なるということですが現行を具体例で示して下さい(事業年度が一年の場合)。

 資本金により図表1のように取扱いが区分されます。資本金の小きな会社ほど損金算入のワクが大きく、資本金が五千万円を超えると損金算入のワクが全く無くなるのは変に感じられる方もいると思いますが、競争カと担税力を考慮しつつ、冗費の抑制をしようとする租税政策から決められています。

(図表1)

期末資本金額が
1,000万円以下の法人
―→

@支出交際費等の額が
400万円以下の場合
A支出交際費等の額が
400万円を超える場合
―→

支出交際費
等の額
× 20
100
400万円を
超える金額

80万円

―→

―→ ―→

期末資本金額が
1,000万円超5,000万円
以下の法人
―→

@支出交際費等の額が
300万円以下の場合
A支出交際費等の額が
300万円を超える場合
―→

支出交際費
等の額
× 20
100
300万円を
超える金額
60万円
―→
―→ ―→
期末資本金額が
5,000万円超の法人

―――――――――――――――→

支出交際費等の金額

―→

 

Q3 寄附金と交際費との区分はどうするのですか。

 費用の支出の形態及び贈与の方法により次のように区分されます。

 

支出の形態等

贈与の方法

取扱い
事業に直接
関係ない者
に対する
贈与
社会事業団
体、政治団
体に対する
拠金、神社
の祭礼等の
寄贈金

金    銭

寄 附 金

物 品 等

上記以外
のもの

金    銭

原則寄附金

物 品 等

寄附金又は
交際費等


(注)なお、事業に直接関係があるかどうかは個々の実態によって判断されます。

Q4 社長に交際費支払いのために渡した金銭がなかなか精算されずに半年以上経過しています。このような場合どう処理すればよいでしょうか。

 いわゆる「渡しきり交際費」といわれるものです。
 選択肢としてはおおよそ次の3つが考えられます。
@ 社長に領収書をよく探してもらい、交際費処理する方法
A 社長に返済の意思がある場合、貸付金として処理し返済してもらうか、報酬から天引きする方法
B 社長の役員賞与として、社長から源泉所得税だけ徴収する方法
 以上のうち、@がベストと思われますが、領収書をなくしてしまった、あるいは領収書のとれないようなもの(ご祝儀等)であれば、いつ、どこで、何のために、誰を接待したか、を下のような支払証明書に記載しておけば領収書に準じて処理でき、税務上のトラブル防止になります。
 交際費というためには、その使途が明らかで、法人の業務遂行に関連のあるものであることを要するとの判例があります。現行では、使途が不明の場合、損金に算入されないばかりでなく、その使途秘匿金の支出の額の40%相当額が別に追加課税されます(欠揖法人でも適用)。

 

支払証明書
@支払の日: 
(仕入れの年月日)
     平成      年     月    日
A支払い先:
(仕入先の名称)
B支払い額:
(支払対価の額)

百万        
C支払の事由:
(資産等の内容)
___________________________
___________________________
___________________________
___________________________
___________________________
___________________________

精算日:平成   年   月   日
                  支払実施者                 印

Q5 実務処理上注意すべき点を教えてください。

 @ 隣接用として区分可能なものは出来る限り区分することが一番のポイントです(図表2参照)。
A 領収書に「何のために支出したのか」を書いておくと後々のトラブル防止に役立ちます。
B 慶弔見舞金については、慶弔規定を作り、常識的な金額をあらかじめ決めておくことが望まれます。
C 会議には議事録を作成しておくことが後々の証拠となり大切です。

(図表2)

 
@売上割戻しの基準を明確化 売上高又は売掛金の回収高に比例して金銭で支出する。
A広告宣伝費の利用 不特定多数の中から選ばれた購入者を旅行観劇に招待する。
カレンダー、手帳、うちわ、手拭、見本品、試用品。
B景品作戦 ビール券、たばこ券等を贈る(約3,000円以下)。
(注)金券、旅行券、観劇券は交際費扱いとなるので注意する。
C販売奨励金 金銭又は事業用資産に限る。
D情報提供料 あらかじめ明確な契約を結んでおくこと。
E福利厚生費 従業員のための運動会、旅行等の費用、従業員や親族への慶弔金
品、創立記念日での従業員に対する一律支給の飲食費用等。
F会議費の利用 会議、商談に関連した茶菓、弁当、少量のアルコールは会議費でOK。
G新製品・見本品の利用 得意先への見本品や試用品の提供、展示会出展費用、一般の工場
見学等に製品の試飲、試食をさせる費用。



法人税〜青色申告の承認申請手続き〜

 

 法人が、青色申告をしようとする場合の承認申請の手続きについて教えてください。

 法人が、法人税の確定申告書、中間申告書等を青色申告書によって提出しようとする場合には、青色申告書によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日までに、所轄税務署長に「青色申告の承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。
 法人の新規設立や公益法人等の新たな収益事業の開始などの場合には、設立、開始などの日以後3カ月を経過した日と当該事業年度終了の日のいずれか早い日の前日が提出期限となります。
 青色申告法人には、青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除、更正通知への理由付記、特別償却、準備金の積立、税額控除などの特典がありますが、提出期限に遅れた場合には、これらの特典が受けられないこととなりますから、注意する必要があります。
 特に設立第一期の場合には、十分気をつけてください。
 承認申請書には、納税地、法人名、代表者氏名などのほか、青色申告の前提となる法人の帳簿組織の状況(伝票から総勘定元帳までの帳簿書類等の種類、形態および記帳の時期)や特別な記帳方法(伝票会計、会計機使用または電子計算機利用)の採用の有無などを記載し、1通(調査部所管法人については、2通)提出します。
 申請に対する承認は、事実上自動承認のかたちを取っていますから、青色申告をしようとする事業年度終了の日までに承認または却下の処分がない場合には、自動的に承認されたものとなります。
 なお、青色申告の承認を受けている法人が青色申告をやめる場合には、その事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に、青色申告書提出の取りやめの届出書を所轄税務署長に提出することになっています。

 
未払い賞与の計上

 

 法人が、使用人に支給する賞与の損金算入時期は、原則として支給した日の属する事業年度となっています。しかしながら、次の3つの要件をすべて満たしている場合には、通知した日の属する事業年度において、未払い賞与の計上をすることができます。
@ 支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知していること
A 通知した金額をその通知したすべての使用人に対して、その通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日からひと月以内に支払っていること
B 支給額について、通知をした日の属する事業年度において損金経理していること
 なお、パートタイマーや随時雇い等と他の使用人を区分している場合には、その区分ごとに支給額の通知を行ったかどうかを判定することができます。

 

税金一口メモ
 都市計画税

 都市計画税は、市町村(東京都の23区内においては、東京都)が、都市計画事業を行うために課税する税金です。課税対象となるのは、原則として、都市計画法による都市計画区域のうち市街化区域内に所在する土地および家屋で、1月1日現在の所有者に課税されます。
 税率は、0.3%を上限に、それぞれの市町村(東京都)が条例で定めています。
 土地については、負担水準に応じて固定資産税とほぼ同様の負担調整措置が講じられており、住宅用地については課税標準の特例があります。
 なお、都市計画税は、固定資産税と一緒に課税されますので、同一の納税通知書で納付することになります。

 

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