☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

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2000年2月

2月の税務と労務

国税 平成11年分所得税の確定申告      
     
2月16日〜3月15日
(還付申告は申告期間前でも受け付けられます)
 
国税 贈与税の申告 2月1日〜3月15日
国税 1月分源泉所得税の納付 2月10日
国税 12月決算法人の確定申告    (法人税・消費税等) 2月29日
国税 6月決算法人の中間申告 2月29日
国税 3月、6月、9月決算法人の消費税の中間申告 2月29日
国税 決算期の定めのない人格なき社団等の法人税の申告及び納付 2月29日
地方税 固定資産税の第4期分の納付 市町村の条例で定める日
地方税 特別土地保有税の申告及び納付  2月29日


ワンポイント 固定資産税の不服申立て
 
今年は3年に1度の固定資産税の評価替えの年にあたりますが、固定資産の価格に不服があるときは、固定資産評価審査委員会に審査の申出ができます。この申出の期間は、従来、固定資産課税台帳の縦覧期間の末日後10日
まででしたが、昨年度改正により、本年から納税通知書の交付の日後30日までとなりました。


確定申告のポイント

 今年も所得税の確定申告の時期となりました。還付申告については1月から、納付額のあるものは2月16日から提出できます。そこで、本年の確定申告のポイントを整理してみます。

 

1.確定申告の対象者

 確定申告をする対象者は大きく2つのグループに区分することができます。1つは確定申告が法律的に義務づけられている人、もう1つは義務はありませんが申告することにより所得税の還付を受けられるケースの人です。

【確定申告をしなければならない人】

(1) 個人で事業を行っており、納税額がある
(2) 不動産収入がある人で納税額がある
(3) 会社からもらう給与が、年間2000万円を超える
(4) 2か所以上から給与をもらっている
(5) 同族会社の役員でその会社に不動産や事業資金を貸し付け、使用料・利息等を受け取っている
(6) 平成11年中に土地等の譲渡があった
(7) 給与所得者で給与以外の所得が20万円を超える

【所得税の還付を受けられるケース】

(1) 雑損控除を受ける
(2) 医療費控除を受ける
(3) 寄付金控除を受ける
(4) 配当について配当控除の適用を受ける
(5) 住宅ローン控除の適用を受ける

2.平成11年分の改正点

 主なものは次のとおリです。
(1) 所得税の最高税率の引下げ
 平成11年以後の各年分の所得税の最高税率が表1のように引き下げられています。
(2) 定率減税の実施
 平成11年以後の各年分の所得税額の20%相当額が減税となります。ただし、この20%相当額が25万円を超える場合には、25万円が限度となります。
(3) 扶養控除額の加算
 控除額が表2のように引き上げられています。
(4) 住宅ローン控除
 住宅ローン控除制度は、金融機関等から償還期間10年以上の割賦償還の方法で返済する住宅用借入金がある場合に税額控除方式で適用されますが、平成11年は表3のように大きく改正(拡充)されていますので有効に活用しましょう。

表1 

改正前
(所得税法)

改正後
(負担軽減借置法)

適用課税所得
1,800万円超3,000万円以下の金額                  40%

適用課税所得
1,800万円超の金額
                 37%

適用課税所得
3,000万円超の金額                  50%

表2

区  分

改正前

平成11年分




特定扶養親族
(年齢16歳以上23歳未満)
58万円 63万円
年少(年齢16歳未満)扶養親族 38万円 48万円
その他の一般扶養親族 38万円 38万円

表3《住宅ローン減税の比較》

 

平成10年居住

平成11年・12年居住

控除期間

6年間

15年間

最高控除額

180万円

587.5万円

控除対象ローン残高

3,000万円まで

5,000万円まで

控除率

 

 

住宅ローン年末残高

1〜3年

4〜6年

1〜6年

7〜11年

12〜15年

1,000万円以下
1,000万円超〜2,000万円以下
2,000万円超〜3,000万円以下
3,000万円超〜5,000万円以下

2.0%
1.0%
0.5%
なし

1.0%
1.0%
0.5%
なし

1.0%

0.75%

0.5%

適用対象

 

 

 

 

 

対象物件
中古の場合(非耐火建築物)
   〃   (耐火建築物) 

居住用家屋のみ
築後15年以内
築後20年以内

居住用家屋+その敷地
築後20年以内
築後25年以内

床面積制限

50u以上240u以下

50u以上無制限

譲渡損失3年間繰越
控除制度との併用

不可

確定申告書チェック表(平成11年分用)

区 
 

項    目 チェックの内容




共   通 営業・農業・その他の事業・不動産所得等については、収支内訳書の添付が必要です。
給与所得等の源泉徴収表は、原本が添付されていますか。
還付申告書を提出する場合は、給与所得以外の所得が20万円以下であっても、含めて申告します。
損益通算のできる損失は、不動産・事業・譲渡・山林所得です。












医 療 費 補てん金は、未収であっても、見積りにより控除します。
差額負担額から10万円(又は所得金額の5%か、いずれか少ない金額)を、差し引いてありますか。
領収書の添付又は提示がされていますか。
寄 附 金 領収書、証明書等の添付がされていますか。
老 年 者 合計所得金額が、1,000万円超であるのに適用していませんか。(昭和10.1.1以前生まれ)
年少扶養親族 扶養親族のうち、年齢16歳未満の人(昭和59.1.2以後の生まれ)で、控除額は48万円です。
特定扶養親族 扶養親族のうち、年齢16歳以上23歳未満の人(昭和52.1.2〜59.1.1生まれ)で、控除額は63万円です。
寡 婦(夫) 老年者であるのに適用していませんか。
(1)寡婦 @死別・離婚…扶養親族または一定の生計を一にする子があれば、所得制限なし。
      A死別  ………合計所得金額が500万円以下
      B特別の寡婦…扶養親族である子を有し、かつ合計所得金額が500万円以下。
(2)寡夫 死別・離婚とも一定の生計を一にする子があり、かつ合計所得金額が500万円以下。
配偶者特別控除 合計所得金額が1,000万円超なのに適用していませんか。
控除金額は、最高38万円です。












配 当 控 除 対象となる配当所得は、利益の配当・剰余金分配等です。
控除額は、課税所得金額1,000万円以下は10%、それを超える部分は5%になります。
住宅ローン控除 申告者の住宅取得(等)特別控除欄の「居住年月日」等は、すべて記入がありますか。
添付書類の不足はないですか。
(1) 新築・中古家屋の場合
  @家屋の登記簿謄本又は抄本
  A請負契約書又は売買契約書の写し
  B住民票
  C住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
(2) 増改築をした家屋の場合
   上記(1)の各種書類のほかに「建築確認の通知書の写し」若しくは「検査済証の写し」又は、「増改築等工事証明書」



源泉徴収税額 未払いの源泉所得税額も含めて記載します。
申告納税額 黒字の金額は、100円未満の端数は切り捨て。
予定納税額 第一期・第二期とも、未納があっても記載して下さい。

 

 
医療費控除

 昨年1年間にかかった医療費の額が10万円を越えたために医療費控除の適用を受けたいと考えていますが、次の費用は医療費控除の対象に含めてもよいのでしょうか。
@出産費用
A歯科治療費(自由診療分)
B人間ドックの費用
C眼鏡代(近視用)
D通院費(電車賃)

 医療費控除の対象となる医療費とは、医師または歯科医師による診療費または治療費、治療または療養に必要な医薬品の購入の費用、病院・診療所または助産所へ収容されるための費用などのうち、その病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。
 ご質問の費用については、次のように取り扱われることになります。

@ 出産費用については、医療費控除の対象となります。ただし、健康保険から支給される出産育児一時金または配偶者出産育児一時金については、医療費を補填する保険金等として控除する必要があります。

A 歯科医師による治療費は、保険診療分、自由診療分とも医療費控除の対象となります。

B 人間ドックその他の健康診断のための費用は、原則として医療費控除の対象となりません。ただし、健康診断により重大な疾病が発見され、その診断に引き続きその疾病の治療をした場合には、健康診断のための費用についても医療費控除の対象となります。

C 通常の近視用の眼鏡の購入費用は、医療費控除の対象となりません。ただし、医師による疾病(弱視、斜視、白内障など)の治療の一環として装用する治療用眼鏡の購入費用は医療費控除の対象となります。

D 医師等による診療等を受けるための通院費は、医療費控除の対象となります。

 

 
ソフトウエアの費用

 コンピュータのソフトウェアの購入に要した費用や、ソフトウェアの開発を外部の業者に委託した場合の委託に要した費用については、税法上繰延資産に該当することになります。したがって資産として計上したうえ、5年間で償却していくことになります。
 ただし、自らソフトウェアを開発するために外部から技術者の派遣を受けるために要する費用については、形式的には技術者の派遣の受け入れであっても、自社のコンピュータを利用して包括的に開発を委託するなど実質的に開発を委託したと認められる場合を除き、繰延資産には該当しません。
 また、自ら開発したソフトウェアについてコーディング(ソフトウェアの機械用語への翻訳作業)のみを他の者に委託した場合の費用についても、繰延資産には該当しませんので、支出時に損金算入することができます。

 

税金一口メモ
 通勤手当の消費税

 会社が従業員に支給する通勤手当については、月額10万円以下の部分は、原則として所得税が非課税とされています。
 ところで、消費税の仕入れ税額控除の計算に当たっては、通勤手当(定期券等の支給など現物による支給を含む)のうち、「通勤者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱うこととされています。
 したがって、通勤手当については、所得税の非課税限度額(月額10万円)を超える部分も含めて、仕入れ税額控除の対象となります。

 

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