結婚して配偶者を得た場合、配偶者の所得により次の所得控除が適用されます。

�@配偶者控除
　所得者と生計を一にする配偶者（事業専従者を除く）で合計所得金額が３８万円以下の場合、所得者の所得から３８万円が控除できます。

（注）給与所得だけの場合は、本年中の収入金額が１０３万円以下であれば、給与所得控除後の合計所得金額は３８万円以下となります。

�A配偶者特別控除
　所得者と生計を一にする配偶者を有する場合に、その所得者本人の所得金額の合計額から３８万円を限度として控除されます。

（注１）本人の合計所得金額が１千万円を超える場合、適用が受けられません。

（注２）配偶者の合計所得金額が３８万円のとき又は７６万円以上のときは、適用が受けられません。

＜配偶者特別控除額早見表＞

控除対象配偶者の 　合計所得金額	控除額	控除対象配偶者以外の 　配偶者の合計所得金額	控除額
５万円未満 　　５万円以上１０万円未満 　１０万円以上１５万円未満　 　１５万円以上２０万円未満 　２０万円以上２５万円未満 　２５万円以上３０万円未満 　３０万円以上３５万円未満 　３５万円以上３８万円未満 　３８万円	万円 ３８ ３３ ２８ ２３ １８ １３ 　８ 　３ 　０	３８万円超   ４０万円未満 　４０万円以上４５万円未満 　４５万円以上５０万円未満 　５０万円以上５５万円未満 　５５万円以上６０万円未満 　６０万円以上６５万円未満 　６５万円以上７０万円未満 　７０万円以上７５万円未満 　７５万円以上７６万円未満 　７６万円以上	万円 ３８ ３６ ３１ ２６ ２１ １６ １１ 　６ 　３ 　０

　会社を退職して退職所得を得たときは、通常の所得税の計算より軽減した計算となっています。これは長年の勤労に対する所得が一時に実現するため、考慮されているようです。

�@退職所得
（退職収入−退職所得控除額）×２分の１＝退職所得

�A退職所得控除額
＜退職所得控除額の速算表＞　　　　（勤続年数の１年未満の端数は切り上げ）

勤続年数	退職所得控除額
２０年以下	４０万円×勤続年数（最低保証８０万円あり）
２０年超	７０万円×（勤続年数−２０年）＋８００万円

　退職後に仕事をしないとすると、公的年金や民間の保険会社に自助努力で掛けてきた保険からの拠出年金が主な収入源となります。
　その場合、支払方法が一時金か年金かにより、所得の分類が次のように区分されます。

生命保険契約等に関する保険金の所得分類

	支払方法	所得の分類
生命保険契約等に基づく保険	一時金	一時所得
	年金	雑所得（公的年金等以外）
公的年金等に該当する保険金	一時金	退職所得
	年金	雑所得（公的年金等）

（１）一時所得の金額
〔総収入金額−その収入を得るために直接支出した金額
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　−特別控除額（５０万円）〕×２分の１

（２）雑所得の金額
収入金額−必要経費
　なお、公的年金等については、次の公的年金等控除額を差し引いたものが所得とされるため、私的年金よりも有利になっています。

＜公的年金等控除額の速算表＞

年齢	１年間の公的年金等の収入合計額（A）	公的年金等控除額
６５歳以上	２６０万円以下 　　　２６０万円超〜４６０万円以下 　　　４６０万円超〜８２０万円以下 　　　８２０万円超	１４０万円 （A）×２５％＋　７５万円 （A）×１５％＋１２１万円 （A）×　５％＋２０３万円
６５歳未満	１３０万円以下 　　　１３０万円超〜４１０万円以下 　　　４１０万円超〜７７０万円以下 　　　７７０万円超	７０万円 （A）×２５％＋　３７万５千円 （A）×１５％＋　７８万５千円 （A）×　５％＋１５５万５千円

　

　死亡により、遺族に相続税がかかるかどうかは、まず、基礎控除額を超える正味財産があるかどうかで判断されます。

相続財産 相続財産の総額 債務・公課 葬式費用 正味財産額

⇒ ⇒

正味財産額 基礎控除額 課税される 財産額

�@基礎控除額
　　５千万円＋１千万円×法定相続人の数

�A配偶者に対する税額の軽減
　　法定相続分か１億６千万円以下の相続分の場合、配偶者に相続税はかかりません。

�B争族対策
　　相続財産の分割で争いが起きる可能性がある場合、遺言等により防止策を講じておく必要があります。