☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

[ ホーム ] [ 税務だより ] [ ザ☆経営 ] [ 業務内容 ] [ 連絡先・周辺地図 ]

2001年11月

 

 

目次

Onepoint 金庫株

高齢者と税金

減価償却資産の償却方法

所得税の納税地

★税金一口メモ★ 第三分野の保険契約

ワンポイント 金庫株
 
日本の商法では白己株式の取得を限定し、保有を制限していましたが、6月に成立した商法改正法により、定時総会の決議さえあれば自社で発行した株式の白由な取得ができ、金庫株として保有することが認められることになりました。米国で「金庫に保管される株式」と呼ばれていることから、この名称が付いています。


  高齢者と税金


 我が国には、税金に関して高齢者の特例が多く設けられています。せっかくの優遇税制なので有効活用しているか、今一度確認してみましよう。

T 高齢者等に対する非課税   

高齢者等を対象に、一定の預貯金の利子が非課税になっています(図表1)。
なお、非課税制度を利用できる者は、図表2のとおりで、手続きとして預け入れの際、金融機関の窓口などに確認書類の提出が必要です。

図表1  利子非課税制度

対  象 種  類 非課税限度額 内     容
高齢者等 マル優 350万円 銀行などの預貯金、貸付信託、公社債、公社債投資信託など
特別マル優 350万円 利付国債
公募地方債
郵便貯金 350万円  

図表2  対象者と確認書類

非課税制度を利用できる方

確認書類
65歳以上の方 住民票の写しなど
障害者 手帳・証書等
※住民票の写しなど
遺族基礎年金などを受けている妻(母) 証書等と妻(母)であることを証する書類
※住民票の写しなど
寡婦年金を受けている方 証書等と妻であることを証する書類
※住民票の写しなど

(注)※印のものは証書等に住所、氏名、生年月日の記載がない場合に必要となります。

 

U 高齢者等に対する優遇税制  

 1 老年者控除

年齢が65歳以上で、かつ、合計所得金額が1千万円以下の場合は、本人の所得税を計算するとき、老年者控除として50万円が所得金額から控除できます。


 2 公的年金等控除  

公的年金や恩給については、これらの収入金額から公的年金等控除額が差し引かれます。また、この控除額は図表3で明らかなように、65歳以上の方は65歳未満の方より多くなっています。

図表3  公的年金等に係る雑所得

@65歳未満の方

公的年金等の収入額

公的年金に係る雑所得の金額

70万円まで  

0円  

70万円超  130万円未満  

  収入金額     −70万円

130万円以上  410万円未満  

  収入金額×0.75−37.5万円

410万円以上  770万円未満  

  収入金額×0.85−78.5万円

   770万円以上

  収入金額×0.95−155.5万円

@65歳以上の方

公的年金等の収入額

公的年金に係る雑所得の金額

140万円まで  

0円  

140万円超  260万円未満  

  収入金額     −140万円

260万円以上 460万円未満  

  収入金額×0.75−75万円

460万円以上  820万円未満  

  収入金額×0.85−121万円

   820万円以上

  収入金額×0.95−203万円

 


V 年金税制            

 不動産所得のあるような方を除くと、一般的には老後の主な収入源は年金です。

1 年金収入は雑所得

国民年金・厚生年金などの公的年金等や生命保険契約に基づく年金などの公的年金等以外の年金を受け取ったときには、通常、雑所得となります。
(注)公的年金等の主なものについては次のものがあります。
@国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法などの法律の規定に基づく年金
A恩給(一時恩給を除く)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
B適格退職年金契約に基づいて支給を受ける年金等

2 雑所得の計算

(1)公的年金等
        公的年金等に係る雑所得の算出方法は、受給者の年齢が六五歳以上か否かで図表3のように異なります。

(2)公的年金等以外の年金
        次の算式で計算します。

(収入金額)

公的年金等
以外の年金
の収入金額

剰余金や割戻金

(収入金額)

公的年金等
以外の年金
の収入金額
× 保険料又は
掛け金の総額
――――――
年金の支払い
総額(見込み額)

3 源泉徴収と確定申告

一定の金額を超える公的年金等や生命保険契約等に基づく年金を受け取るときは、所得税が源泉徴収されています。そこで確定申告で所得税を精算することになりますが、この場合、源泉徴収票を添付する必要がありますので、大切に保存しておきましょう。

W 高齢者を扶養している方が受けられる特例  

 配偶者控除や扶養控除の対象となる親族が、70歳以上の場合は、通常より多くの控除額が所得金額から差し引かれます。

@配偶者控除

通常の38万円に代えて48万円が所得金額から差し引かれます。

A扶養控除

通常の38万円に代えて48万円が所得金額から差し引かれます。
なお、納税者やその配偶者の父母や祖父母(老親等)と同居しているときの扶養控除は、更に10万円を加算した58万円が所得金額から差し引かれます。

減価償却資産の償却方法

このたび法人を設立しましたが、減価償却資産の償却方法と、その選定手続きについて教えてください。
法人税を計算する際の減価償却資産の償却方法については、法定された償却方法の中から会社が選定した償却方法を継続的に適用していくことになります。
減価償却資産の償却方法は、資産、設備の種類ごとに選定することになり、また、事業所別に選定することができます。
法定されている償却方法には、定率法、定額法、生産高比例法などがあり、資産の種類ごとに適用できる方法が決まっています。
 会社を新たに設立した場合、すでに償却方法を選定している減価償却資産以外の減価償却資産を取得した場合、新たに事業所を設けた場合ですでに選定している償却方法と異なる方法を選定しようとするときなどには、「減価償却資産の償却方法の屈出書」を設立、新規取得、新設等の日の属する事業年度の確定申告書の提出期限までに、所轄税務署長に提出する必要があります。
 なお、定率法、定額法、生産高比例法以外の特別な償却方法を採用しようとする場合には、「特別な償却方法の承認申請書」を所轄税務署長に提出し、承認を受ける必要があります。
 特別な償却方法としては、比例法、算術級数法などがありますが、その承認の可否については、対象となる減価償却資産の種類、構造、属性、使用状況からみてその償却方法が妥当かどうか、また、償却限度額計算の基礎となる残存価額、償却率、生産高等が合理的に算定されているかどうかを総合的に勘案して判断されることになっています。
 特別な償却方法を採用することができるのは、税務署長の承認の日の属する事業年度からですから、申請書は、採用しようとする事業年度の末日までに承認が得られるよう余裕をもって提出する必要があります。

所得税の納税地

 所得税の確定申告書は、申告書を提出する際の納税地の所轄税務署長に提出しなければならないことになっています。
所得税の納税地は、原則としてその人の住所地とされています。

ただし、住所地のほかに居所がある人は、住所地の所轄税務署長および居所地の所轄税務署長へ届け出て、住所地に代えて居所地を納税地とすることができます。
住所がなく居所のある人の納税地は、その居所地となります。

また、住所または居所のほかに事業場等がある人は、住所地または居所地の所轄税務署長及び事業場等の所在地の所轄税務署長へ届け出て、事業場等(事業場等が二以上ある場合には、主たる事業場等)の所在地を納税地とすることができます。

なお、死亡した人の所得に係る納税地は、相続人の納税地ではなく、その死亡した人の死亡当時における納税地となります。

税金一口メモ
 第三分野の保険契約

生命保険会社または損害保険会社と締結する一定の保険契約のうち、生命保険会社と締結したものについては、生命保険料控除の対象とされ、損害保険会社と締結したものについては、損害保険料控除の対象とされていました。
ところが、本年七月から、いわゆる第三分野の保険契約について相互参入が認められたため、第三分野の保険契約がどちらの控除対象となるかは保険契約の内容に応じて決まることになりました。
具体的には、身体の障害または疾病により、保険金が支払われる保険契約のうち、入院により医療費を支払ったこと等に基因して保険金が支払われるものは生命保険料控除、身体の障害に基因して保険金が支払われる保険契約は損害保険料控除の対象となります。

 

HOME

MAIL