☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

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2002年12月

 

 

目次

Onepoint 審理課・審理官

年末調整のポイント

相続税の取得費加算

重加算税

★税金一口メモ★ 満期保険金に関する税務

ワンポイント 審理課・審理官
 
この7月の税務職員の定期異動で、国税局に新設されたポスト。課税処分の統一性・透明性を確保することを目的に、東京、大阪の両国税局に審理課を、両局以外の国税局に審理官を設け、法令適用の事前紹介や文書回答の事務を行ないます。納税者からの難しい問い合わせの増加への対応も、設置の背景にはあるようです。


  年末調整のポイント・・・恒久的減税が続いています

 今年も「年末調整」を行う時期になりました。年末調整は、給与の支払いを受ける一人一人について、毎月の給与や賞与などの支払いの際に源泉徴収した税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足を精算するものです。

1 平成14年の注意点  

@定率減税の継続

平成11年以後の各年分の所得税額について20%相当額(25万円が限度)が減税となる措置が続いていますので、本年も適用されます。

Aその他

来年度以降に配偶者特別控除等の所得控除制度が見直しされる予定で審議が進んでいますが、平成14年には影響ありません。

 年末調整の対象者  

年末調整の主な対象者は、表1のとおりです。なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が前提となりますので、必ず提出してもらいましょう。

表1 年末調整対象者の選別(例)

年末調整の対象となる人

年末調整の対象とならない人

次のいずれかに該当する人
(1) 1年を通じて勤務している人
(2) 年の中途で就職し、年末まで勤務している人
(3) 年の中途で退職した人のうち、次の人
 @ 死亡により退職した人
 A 著しい心身の障害のため退職した人で、その退職の時期からみて、本年中に再就職できないと見込まれる人

左欄に掲げる人のうち、次のいずれかに該当する人
(1) 本年中の主たる給与の収入金額が2,OOO万円を超える人
(2) 2カ所以上から給与の支払いを受けている人で、他の給与の支払者に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人(月額表又は日額表の乙欄適用者)

年末調整の事務手続き

扶養控除等(異動)申告書の受理・内容の確認 配偶者特別控除申告書の受理・内容の確認 保険料控除申告書の受理・内容の確認

給与総額、徴収税額の集計

住宅借入金等特別控除申告書または住宅取得等特別控除申告書の受理・内容の確認

年税額計算の
ための準備

 

給与所得控除後の金額の計算

課税所得金額の計算

年税額の計算

 

年税額の計算
 

 

 
過納額の精算 不足額の徴収

納付又は還付

  税金の徴収、
納付又は還付

表2 所得控除額一覧表

【社会保険料控除額】
支払った又は給与から控除された社会保険料の合計額
【小規模企業共済等掛金控除額】
中小企業総合事業団に支払った共済掛金(旧第二種共済掛金は生命保険料控除の対象)、確定拠出年金法の規定により国民年基金連合会が実施する個人型年金の加入者掛金と心身障害者扶養共済掛金との合計額
【生命保険料控除額】
次の@とAの合計額(最高10万円)
@ 一般の生命保険料(次の個人年金保険料を除く)を支払った場合
   
イ 25,000円までの場合 支払った保険料の全額
ロ 25,000円を超え50,000円までの場合 支払保険料×1/2+12,500円
ハ 50,000円を超え100,000円までの場合 支払保険料×1/2+25,000円
ニ 100,000円を超える場合 50,000円

A 個人年金保険料(疾病等特約部分を除く)を支払った場合

   上記@のイ〜ニの区分に応ずる算式により計算した金額

【損害保険料控除額】
長期損害保険契約の支払保険料
@10,000円までの場合…支払保険料の全額
A10,000円を超える場合
   …支払保険料×1/2
       +5,000円(最高15,000円)

短期損害保険契約の支払保険料
@2,000円までの場合…支払保険料の全額
A2,000円を超える場合
   …支払保険料×1/2
        +1,000円(最高3,000円)
※長期と短期の両方の控除額がある場合は、その合計額(最高15,000円)
障害者控除額     障害者1人につき…270,000円  特別障害者1人につき…400,000円
老年者控除額     500,000円
(老年者とは65歳以上  昭和13年1月1日以前生まれで、所得金額の合計額(繰越損失控除前)が1,000万円以下の者をいう。)
寡婦(寡夫)控除額  270,000円(特定の寡婦は、350,000円)
勤労学生控除額   270,000円






  同居特別障害者である人 左記以外の人
一般の控除
対象配偶者
730,000円 380,000円
老人控除
対象配偶者
830,000円 480,000円
配偶者特別控除 原則として配偶者の収入が141万円未満の人が対象となる





同居特別障害者である人
(各1人につき)
左記以外の人
(各1人につき)
一般の
扶養親族
730,000円 380,000円
特定扶養親族 980,000円 630,000円






同居老親等以外の者 830,000円 480,000円
同居老親等 930,000円 580,000円
基礎控除額  380,000円
※ 控除対象配偶者、扶養親族
生計を一にする配偶者その他の親族、都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)及び養護老人のうち、所得金額の合計額(繰越損失控除前)が38万円以下の者(青色事業専従者又は白色事業専従者とされる者を除く)。

※ 特定扶養親族
扶養親族のうち、昭和55年1月2日から昭和62年1月1日までの間に生まれた者(年齢16歳以上23歳未満の者)。

※ 老人控除対象配偶者、老人扶養親族
昭和8年1月1日以前生まれ(年齢70歳以上)の控除対象配偶者、扶養親族。

※ 同居特別障害者
控除対象配偶者や扶養親族が、特別障害者に該当し、かつ、その者が納税者又は納税者と生計を一にする親族のいずれかと同居を常況としている者をいう。

※ 同居老親等
老人扶養親族のうち、納税者又はその配偶者の直系尊属で、納税者又はその配偶者のいずれかと同居を常況としている者。

 

相続税の取得費加算

 

わたしは、父からの相続によって取得した土地を譲渡しました。譲渡所得の計算に当たって、相続税額の一部が取得費に加算されると聞きましたが、どのような内容でしょうか。

 相続または遺贈によって財産を取得した人で相続税が課税された人が、その相続税の課税価格の計算の基礎に算入された財産を一定期間内に譲渡した場合には、譲渡所得の計算上、相続税額のうち一定の金額をその財産の取得費に加算することができます。
 この取得費加算の対象となるのは、相続のあった日の翌日から、相続税の申告書の提出期限(相続の開始のあったことを知った日の翌日から起算して10カ月以内)の翌日以降3年を経過する日までの間に行われた譲渡です。
 譲渡所得の計算上、取得費に加算される相続税額は、譲渡した資産が土地等(土地または土地の上に存する権利)である場合には、次の@の算式で計算した金額となります。
 また、譲渡した資産が土地等以外である場合には、次のAの算式で計算した金額となります。
 なお、取得費加算の適用を受けようとする場合には、相続により取得した財産を譲渡した年分の所得税の確定申告書に適用を受けようとする旨を記載し、「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」等の必要書類を添付して所轄税務署長に申告する必要があります。

 

@

その人の確定相続税額   ×

 その人の課税価格に算入された土地等の価額 

   その人の確定相続税額に係る課税価格

A

その人の確定相続税額   ×

 その人の課税価格に算入された譲渡した資産の価額 

    その人の確定相続税額に係る課税価格

 


重加算税

 

新聞等で脱税や申告漏れが報道されると、ペナルティとしての重加算税が話題になります。
 重加算税は、納税者が、課税標準等または税額等の計算の基礎となるべき事実の全部または一部を隠ぺいし、または仮装し、その隠ぺいし、または仮装したところに基づいて確定申告書を提出し、または申告をしなかった場合に、過少申告加算税または無申告加算税に代えて賦課されることになります。
 重加算税の額は、修正申告、更正、決定等によって納付することとなる税額(隠ぺいし、または仮装されていない事実に基づく税額を除く)に対して、過少申告加算税に代えて課される場合には35%、無申告加算税に代えて課される場合には40%を乗じて計算した金額となります。
 なお、重加算税の賦課に関する取扱規準は、国税庁長官の事務運営指針によって明らかにされており、国税庁のホームページでも確認することができます。

 

税金一口メモ
 満期保険金に関する税務

 生命保険の満期保険金を受け取った場合、生命保険契約の契約者(保険料負担者)と満期保険金の受取人が同一である場合については、一時所得として所得税(住民税)の課税対象となります。
 受け取った満期保険金から正味払込保険料と特別控除額(50万円)を差し引いた金額が、一時所得金額となり、その2分の1が課税対象となります。
 所得税額(住民税額)の計算については、給与所得や事業所得など他の所得と合算して行われることになります。
 ただし、保険期間5年以下の一時払養老保険などについては、預貯金の利子などと同様に、税率20%(所得税15%、住民税5%)による一律源泉分離課税となっています。

 

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